ステンレスの利用シーン
過去50年間でステンレスの生産量は30倍以上に増加し、食卓から原子力、宇宙開発まで、多様な分野で使用されています。身の回りを見渡しても、様々なシーンで利用されていることが分かります。それぞれの用途に必要な性能に応じて、適切なステンレス種類が選ばれ使用されています。ここでは各分野におけるステンレスの利用シーンを紹介します。
建築分野
ステンレスは、美しさと耐久性を兼ね備えた材料として、建築分野で広く利用されています。外観材料としては、外壁、屋根、バルコニー、手摺などに使用され、内装材料としては、キッチン、手洗い器、エレベーターホールなどに用いられます。また、公共施設や商業施設などでの利用も多く、高い耐久性とメンテナンス性の良さから、長期間美しい外観を維持することができます。さらに、環境に配慮した素材として注目され、建築分野での利用拡大が期待されています。
土木分野
ステンレスは、土木工学において様々な用途で使用されています。例えば、海水や塩害のある橋の欄干や橋脚、海水浴場やプールの手すり、トンネル内の排水路の水路フタなどに使用されています。また、鉄道の橋梁部品やトラックの荷台やタンク、ダムや水門などにも使用されており、その優れた耐食性と強度が求められる環境で活躍しています。さらに、ステンレスの美しい外観はデザイン性にも優れ、都市景観の向上にも貢献しています。
厨房・家庭用機器
ステンレスは、厨房・家庭用機器に広く使用される素材です。食品衛生面での優位性や、傷つきにくく、清掃が簡単で衛生的なことが利点です。キッチン用品や調理器具、シンク、コンロ、オーブン、冷蔵庫など多くの機器に使用されています。また、耐久性が高く長期間にわたって使用できるため、コストパフォーマンスにも優れています。デザイン性にも優れ、豊富な種類がありますので、様々なスタイルのキッチンに合わせた製品が選べます。
自動車
自動車には、ステンレス鋼が様々な部位で利用されています。例えば、排気管やマフラー、ホイール、ドアハンドル、トリム、グリル、そしてフレームなどが挙げられます。ステンレス鋼は、耐食性に優れ、軽量かつ強度が高いため、自動車において重要な要素の一つです。また、ステンレス鋼はデザイン性にも優れており、高級感を演出することができます。自動車においてもステンレス鋼の利用は増え続けており、今後もますます普及していくことが予想されます。
産業機器
産業機器には、高い耐食性や強度が求められるため、ステンレス鋼が広く使用されています。特に、化学プラントや食品加工機器、医療機器など、高い衛生性が必要な場面では、ステンレス鋼が適しています。また、機器の外観にも重視がされる場合には、ステンレス鋼の美しい光沢やデザイン性を活かした加工が行われることもあります。産業機器におけるステンレス鋼の利用は、その優れた特性が生かされ、製品の品質向上やメンテナンス性の向上にもつながっています。